ドクター選びは知識と経験が大切


ドクター選びは知識と経験が大切ブログ:2015/07/17


幼かった娘が大好きだったもの、
それはオレの「耳たぶ」。

甘えたい時、眠い時、不安な時…
いつだって娘はオレの耳たぶを求めた。

小さく温かい指で触れられると、
とてもくすぐったかった。
それでも、何だかほんのり心地良くって、
ついついオレの方が先に眠りこんでしまうこともしばしばあった。

あるばんのこと。
いつも娘の右側で寝ていたオレは、
たまたま左側で眠っていた。

娘が動く気配で目が覚めると、
娘が右側にいる主人の方に転がっていくのが目に入った。

そして主人の耳たぶを触り始めたのである。
あれ?と思った瞬間、娘の手がとまり、
目がはっと見開かれるのが分かった。

右、左、ときょろきょろ頭を動かすと、
あわててオレの方に寄ってきて、
耳たぶを触り始めたのである。

娘は、オレと主人をまちがえたのだ。
でも耳たぶの感触ですぐに気づいたのだろう。
安心しきった娘の寝顔を見ながら、思わずふきだしてしまった。

娘に耳たぶをゆだねている時は、
なぜか母乳をあげていた時と同じ気持ちになれた。

求められる嬉しさ、母としての喜び、
無垢な優しさがじんわりと胸に広がっていく…

けれど、娘はオレの耳たぶを卒業してしまった。

遠慮がちに触っているなぁと感じるようになったあるばん、
触りやすくしてあげようと頭の向きを変えた時、
娘の指がふと離れた。

そしてそれ以来、
娘の指がオレの耳たぶに触れることはなくなってしまった。

「耳たぶなんて覚えてないよ」と八才になった娘は笑う。

それでも、オレは決して忘れないだろう。
あの頃耳たぶに感じていた小さなぬくもりを…
ささやかな幸せの一時を…